第10話  おひとり様

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朱里が推測したように、 カーリーは 他人に興味を持たない 病的資質、 すなわち、サイコパスだった。 平時は大変、 愛想のよい様子をするが、 時に嘘を平気でついたり、 スィッチが入ったり 切れたりするような 人格なのだと言う。 他人に執着しないので それが出来るのだと言うが、 まだまだ理解しがたい 性質である事は 言うまでもない。 朱里は、ほんの少し 傷ついた程度のカーリーを ヨシキに預けて 病院に連れて行かせ、 刺した彼女を、 事情を説明して 私服で来てもらった DV用の警官に引き合わせた。 事を大げさにすることは 誰の為にもならないのと、 たまたま、 占い所にいた占い師が 朱里とヨシキと カーリーだけだったのも 幸いして、 騒ぐ者なく 静かに進められた。
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