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「…あれはやり過ぎだと、
タカさんならそう言うよ、
きっと」
「ジーちゃんが?」
両の手で缶を持って
温まりながら
朱里は頷いた。
とかく
熱が入りがちな朱里を、
それとなく
鎮めてくれていたのが
隣にいたタカさんの、
いつもの一言だった。
“やりゃあしないよ、
あれは無理だよ… ”
そう言う現実的な言葉が、
我知らず、
相手を変えてやろうと
必死になっていた自分を
冷静にしてくれていた。
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