第11話  長い一日

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今日も朱里は 机と仲良しだった。 朝の電車は なぜか人で溢れていて 座ることが出来ずに、 ここまで たどり着いたせいだった。 「お年寄りは 大事にしましょう~。 若いヤツが 優先席に座んなよぅぅ」 ぼそぼそと 愚痴のように言っても 朱里だって、 本物のお年寄りから見れば、 若いヤツになるだろう。 さらに真実を言えば、 妊婦さんや松葉杖をついた人に 席を譲った為に 立っていたという方が正しい。 いつものことながら、 それまでは気絶したように 寝ているのに、 そう言う人が来たとたんに 目が覚めて 視線が行ってしまうのは 奉仕の精神よりも、 滅私の精神という方が いいかもしれない。
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