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今日も朱里は
机と仲良しだった。
朝の電車は
なぜか人で溢れていて
座ることが出来ずに、
ここまで
たどり着いたせいだった。
「お年寄りは
大事にしましょう~。
若いヤツが
優先席に座んなよぅぅ」
ぼそぼそと
愚痴のように言っても
朱里だって、
本物のお年寄りから見れば、
若いヤツになるだろう。
さらに真実を言えば、
妊婦さんや松葉杖をついた人に
席を譲った為に
立っていたという方が正しい。
いつものことながら、
それまでは気絶したように
寝ているのに、
そう言う人が来たとたんに
目が覚めて
視線が行ってしまうのは
奉仕の精神よりも、
滅私の精神という方が
いいかもしれない。
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