第11話  長い一日

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逃げ遅れた…  そう思いつつ、 やって来た二十代くらいの ぽっちゃり体系の子に 椅子をすすめた。 体に合わない短めの ベージュのセーターと 濃茶の短パンに紫のタイツ、 どれをとっても 驚きで目が閉じられず、 朱里の頭には、 思わず車のタイヤを モチーフにした 某有名キャラクターが 浮かんで来てしまった。 「タイヤのくせに、お店に 星付けているトコだよね。 へんなの…」 「あの~」 首を傾げていると 可愛らしい声で 呼びかけられて、 朱里は我に返った。 「今日は 如何なさいましたか?」 「私ぃ、 好きな人が出来てぇ~」
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