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「まだ告白も
してないんですぅぅ」
「は、はぁ、
そ、それは楽しみですね」
「楽しみ!
そうなんですよね!
そうなのぅ!」
今度はひとりで、
はしゃぎ始めてしまった。
これらは二分もしない内に
目の前で繰り広げられたもので、
朱里は
このお客を引き当てた事を、
海より深く後悔して、
帰りたい気分で一杯になった。
だが、お客であることは
間違いないので、
目を閉じて、
必死に心を落ち着かせた。
“落ち着けぇ~、
落ち着けぇ~、うぁ!”
「ねぇ聞いてますぅ?」
机の上に置いた手を、
生ぬるいものが覆った。
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