第11話  長い一日

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「まだ告白も してないんですぅぅ」 「は、はぁ、 そ、それは楽しみですね」 「楽しみ!  そうなんですよね! そうなのぅ!」 今度はひとりで、 はしゃぎ始めてしまった。 これらは二分もしない内に 目の前で繰り広げられたもので、 朱里は このお客を引き当てた事を、 海より深く後悔して、 帰りたい気分で一杯になった。 だが、お客であることは 間違いないので、 目を閉じて、 必死に心を落ち着かせた。 “落ち着けぇ~、 落ち着けぇ~、うぁ!” 「ねぇ聞いてますぅ?」 机の上に置いた手を、 生ぬるいものが覆った。
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