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たまに、
こういう変な所に
勘が良い人がいる。
占う事を止めようとする
こちらの先手を
いきなり打ってくるのだが、
本人は
そうと判っていないのが
面白い所だった。
占うならば、
二人の生年月日がある方が
正確に出せるのだが、
ないならば致し方ない。
朱里はカードを取り出して、
手に持ち、
占いたい事をカードに伝える。
「それでね、彼は今度…」
ぷつり、
朱里の頭の中で
そんな音がした。
朱里は手から
こぼれ落ちたカードを、
苦笑いで拾いながら、
それにうん、うん、と頷いた。
ここまで集中出来なければ
占う事は不可能に近い。
“少しは占わせてくれ~、
お~ぃぃ、
聞いているかぁ??”
朱里は心の中で
叫んで、叫んで、
ただじっと耐えて、
耐えまくった…。
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