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そんな朱里を見ているのも
ヨシキにとってはなんとなく
好ましく思えていた。
「朱里さんって面白いよなぁ、
熱いんだか冷めているんだか
判らないけど」
「ヨシキさん、先に戻るよ。
なんか来そう」
「何かが来る、って何が?」
聞き返すその声に応えるように、
誰かが歩道で転んだ音がして
二人は振り返った。
そこには
濃紺のブレザーの制服を着た
女子生徒がいて、
膝をさすりながら
立ち上がろうと
している最中だった。
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