第12話 天より高く、海より深く

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そんな朱里を見ているのも ヨシキにとってはなんとなく 好ましく思えていた。 「朱里さんって面白いよなぁ、 熱いんだか冷めているんだか 判らないけど」 「ヨシキさん、先に戻るよ。 なんか来そう」 「何かが来る、って何が?」 聞き返すその声に応えるように、 誰かが歩道で転んだ音がして 二人は振り返った。 そこには 濃紺のブレザーの制服を着た 女子生徒がいて、 膝をさすりながら 立ち上がろうと している最中だった。
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