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慌てて
駆け寄ろうとした朱里が
歩を止めるのと目を細めて
彼女を見るのも同時だった。
“うはぁ~、来た~。
なんじゃこれは…”
思わず
そう言いたくなるくらいの
何かを身に
まとわりつかせている彼女に、
ヨシキが手を差し伸べた。
「大丈夫?
ここ、舗装がガタガタだから
足元が危ないんだよね。
坂道だし」
「あ、すいません。
大丈夫です」
そう言って立ち上がって
ヨシキを見、
その後ろで
固まったように自分を見る
朱里を見て、頭を下げた。
「すいません、
ありがとうございました」
その声に朱里は
わずかに頭を垂れた。
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