第12話 天より高く、海より深く

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慌てて 駆け寄ろうとした朱里が 歩を止めるのと目を細めて 彼女を見るのも同時だった。 “うはぁ~、来た~。 なんじゃこれは…” 思わず そう言いたくなるくらいの 何かを身に まとわりつかせている彼女に、 ヨシキが手を差し伸べた。 「大丈夫? ここ、舗装がガタガタだから 足元が危ないんだよね。 坂道だし」 「あ、すいません。 大丈夫です」 そう言って立ち上がって ヨシキを見、 その後ろで 固まったように自分を見る 朱里を見て、頭を下げた。 「すいません、 ありがとうございました」 その声に朱里は わずかに頭を垂れた。
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