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「え~と、私、
自称ダメ母なので何も。
ついでに言えば、
子供の人生なので
危険に達しない限りは
見守りたいと思うので。
まぁ、他所様から見たら
放任だって
言われていたようですけど」
いきなりの
プライベートな話に
朱里の方がしどろもどろに
なって答えた。
その頃は
息を止めるかのように、
慌てて物事を
やっていた気がする。
なぜそんなに
急いていたかも判らず、
何を為し、
何を失ったのかも判らない、
生きているとも感じられない
毎日だったと思った。
あのまま行けばおそらく
自分を無くしていただろう。
結局のところ、
リストラという現実によって
皮肉にも
自分を取り戻せたとも言えた。
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