第12話 天より高く、海より深く

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「え~と、私、 自称ダメ母なので何も。 ついでに言えば、 子供の人生なので 危険に達しない限りは 見守りたいと思うので。 まぁ、他所様から見たら 放任だって 言われていたようですけど」 いきなりの プライベートな話に 朱里の方がしどろもどろに なって答えた。 その頃は 息を止めるかのように、 慌てて物事を やっていた気がする。 なぜそんなに 急いていたかも判らず、 何を為し、 何を失ったのかも判らない、 生きているとも感じられない 毎日だったと思った。 あのまま行けばおそらく 自分を無くしていただろう。 結局のところ、 リストラという現実によって 皮肉にも 自分を取り戻せたとも言えた。
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