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“勤め人でなくなった事で
社会的な
基盤はなくしたけれど、
人の心は失わずに
済んだかもしれない。
って、今頃判るのも
ドジだよなぁ~”
そう心に呟く
苦笑いの朱里を他所に、
彼女は何となく
頷いて見せた。
「…そうなんですか?
でも、あの、
どっちがいいでしょう?」
「どっちって?」
「放任が良いのか、
私みたいにされるのが
良いのか。
私、ちょっと悩んでいて…」
彼女の言うそれは、
朱里の若い頃は、
過干渉とか過保護とか
教育ママとか、
主に外部から見て
言われていたものだったが、
現在では
毒母と言う名前に変わって、
言う者も
当事者である場合が多くなり、
特異な家族環境にも
思われている。
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