第12話 天より高く、海より深く

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その上、彼女は それを継承するか、 新たに作るかを 託されている星の生まれで、 事を達成するには 多くの困難が 待ち受けていて、 波乱万丈の人生に なりがちだった。 「貴女の家は昔からのお家? お父さんはお婿さん?」 「はい。え?判るんですか? 占いで?」 朱里は笑むだけで 答えなかった。 まだ若い彼女に対して、 未来を説くのは適切とは 思えなかったし、 言う事も憚られた。 若い内の苦労は その時にはわからなくても 後の人生には 必要であることが多いものだ。 下手に未来を聞かせて 苦労を厭うようにさせては ならない。 どうしようか迷っていると、 彼女の持っていた携帯電話が 鳴り出した。
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