第12話 天より高く、海より深く

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「私、迷っちゃって。 近くにいるみたいだから。 うん。すぐ行くね」 女の子が持つ物にしては 飾り気のない携帯だなと 思っていると、 班ごとに学校から 貸し出されたものだと 教えてくれた。 「私、班長にされちゃって。 何でいつもこう、 面倒な事ばかり 押し付けられちゃうんだろ」 「ヨシキさん、 ちょっと彼女、 送ってきますね」 カーテン越しに小さく言うと ヨシキが顔を覗かせた。 今日は天気もいいので お客の足が別の方に 向いているのか概ね空いていた。 「あ、じゃ、 僕もコンビニに行って来ます」 それに頷いて 朱里は彼女と 連れだって歩き始めた。
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