第13話  花の色は

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「ヨシキさん、 今日の遁甲は見た?」 「あっ!」 「一番大事な所だから 忘れないでね」 「そんなのも知らないで やっているとか言う? ダメじゃん」 そう呆れたように言われて ヨシキは隣の男を見た。 事務所がかき集めたと言う 占い師の中で、 この体格のいい男イダは、 何かと言うとヨシキに絡んで、 今日も来なくていいのに、 朱里に刻盤を 習っていたヨシキを のぞきに来ていた。 もう一人のモモエと言う 年配の女性占い師は カツラと険悪になっていた。 言わなければいいものを 言ってしまうモモエは、 似たような性格のカツラと 合うはずもなく、そんな中で 朱里はぼやく毎日だった。
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