第13話  花の色は

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「判りますって! 放っておいて下さい」 「じゃあやってみなよ、 そのくらい、 さっと出来ないと いけないじゃないか」 「じゃあじゃあ、って うるさいんですよ! 料理しているんじゃあ ないんですから!」 「ってお前も 言ってるじゃん」 「… 朱里さぁあん」 困ったような顔をして こちらを向いたヨシキに、 朱里は笑った。 どちらも言い方は きついものの、 何処か兄弟喧嘩のような 生ぬるい雰囲気が 可愛らしく、 その上、 口達者な星を持つイダに ヨシキが敵う訳がないと 判っていたので、 ここはひとまず、 両料理店に お引き取りを願った。
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