第13話  花の色は

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年上でありながら、 何処か打ち解けた 話し方をするイダへ 適当に返しながら、 慌てて立ち上がって 自分のほうに 戻って行くヨシキを 朱里は微笑んで見送った。 「さてと、 そろそろ外に座っているのも 寒くなって来たなぁ。 仕方ない、 今日はコーヒー屋でも 行こうかな。 サンタメルクとダリィースは ちょっと口に合わないし、 ズダハは人が多くて嫌だし、 ウッシッシコーヒーに しようかな」 「あれがお気に入りなの?」 戻ったと思ったイダが カーテンから 頭だけ差し込んで 幾分小さい声で言った。 それに朱里は苦笑いだった。 閉じておけばよいものを、 その口で災いを引き寄せると 言われる星の特徴を これでもかと見せつける イダがおかしかった。
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