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「事務長の
ハセクラさんだって
ずっと狙っていたのに
気が付かなかった?」
「こんなオバサンに
何を言うのかなぁ。
眼科と精神科に
行って下さいよぅ」
そう言われてイダは
肩をすくめてみせた。
教室の隅で、いつもひとりで
コツコツとやっていた
朱里の姿が思い出された。
黙っているだけかと思うと、
時に思いがけないことを言って
いつも驚かされたものだった。
それほど朱里は誰よりも
他の者を良く見ていて、
気が付いたことを
そっと教えてくれたり、
ちょっとした
気遣いをしてくれて、
どんなに助かったか
判らない。
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