第13話  花の色は

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年寄りなので 気が付いただけ、と 本人は言うが、 さりげない優しさは 他の誰にも出来ないと 思ったほどだった。 朱里は イダが思い描くような 美人ではないし、 年齢も上だと知っていた。 だが心の優しさに 外見の良さは比例しないと 判った年齢になって、 一番気になる存在に なったものの、 当の朱里はまったく 相手にしてくれないのが 癪にも触って、 イダは 少し怒ったように言った。 彼は 自分の見た目や話し方で 落ちない女は いないとさえ思っていた。
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