110人が本棚に入れています
本棚に追加
年寄りなので
気が付いただけ、と
本人は言うが、
さりげない優しさは
他の誰にも出来ないと
思ったほどだった。
朱里は
イダが思い描くような
美人ではないし、
年齢も上だと知っていた。
だが心の優しさに
外見の良さは比例しないと
判った年齢になって、
一番気になる存在に
なったものの、
当の朱里はまったく
相手にしてくれないのが
癪にも触って、
イダは
少し怒ったように言った。
彼は
自分の見た目や話し方で
落ちない女は
いないとさえ思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!