第13話  花の色は

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「あのさ…」 「お邪魔するよ。 電話した者だが」 「あ、はい。どうぞ」 聞き耳を立てていた ヨシキはやって来たお客に 慌てて応えた。 二人がどういう関係なのかを 知りたかったが仕方がない。 朱里もまた、 隣から聞こえて来た 野太い声に 意外な表情をした。 ヨシキのお客は どちらかと言うと 女性が多かったので 珍しいなと思ったが、 とりあえず目の前に 立ち尽くすイダに言った。 「私に男運がないのくらい、 判っているでしょ? 一緒の教室だったんだから。 さ、戻って お仕事、お仕事。 イダさんには もっと優しい女性が 来ますよぅ」
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