第13話  花の色は

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「朱里さん、その目の色」 「ないしょ」 ちょっと笑みながら そう言うと朱里は 男に向き直った。 こうやって 気持ちの乱れた人と 立ち会う事は かつての朱里の 仕事でもあった。 ここまで大きく 暴れる人は珍しいが、 それ故に、 のっぴきならないものを 感じさせた。 「どうぞこちらへ。 お座りになって下さい」 「な、なんだよ、 あんたが占えるって 言うのかよ」 「朱里さん、僕が」 「大丈夫。 タカさんのお客様ですから」 ヨシキに優しくそう言うと 朱里は椅子に腰かけ、 しばらく瞼を閉ざした。 その口が開くと、 いつものゆるぎない口調の 朱里の声だった。
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