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「透視してるな。
本当なら修業した者しか
得られない技なのに、
本人は、気のせいだ、と
言っていたなぁ。
まったくもう、
ほんとに自分の事は
そっちのけなんだからな。
それにしても行先か、
でもこれは
ただの方位じゃない。
とすると占い方として
最適なのはあれしかないか」
「早くしろよ!
占ってもらうくらいの
金ならあるんだ!」
「行先は、ありませんね」
やっとの事で聞き出した
男の生年月日を見ていた
朱里が言うと、
男は机を拳で叩いた。
「なんだとぅ!」
「ついでに申し上げれば、
この時期に不用意な移動は
お勧めできません。
動けば命を無くしますよ」
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