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意を決したような
朱里は立ち上がると
亀ネギ仙人の像に
手を触れた。
そして
その足に手をかけて、
そっとつぶやくと
棚の下から布にくるまれた
細長いものを出して来た。
白地に山の刺繍が施された
四十㎝弱のその布袋には
筮竹が入れられていた。
竹を削って出来たそれは
通常五十本あり、
これを用いた占いは
古くから存在していて
時代劇でも見る事が出来る。
本来占いと言えば
この易を指すのだが、
出て来る卦が断定的な事と
これを扱う当の占い師でも、
その卦を読み取ることが
難しい為に
現在行う人は
あまりいない。
また、多くの音が
ひしめく現代社会では
精神統一を行う事も
ままならないので、
こういった場所で行うには
不向きでさえあった。
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