第13話  花の色は

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ヨシキもイダもだった。 朱里の左肩が 白くかすんで見えた。 「奥様の言われることに 腹を立てて家を飛び出して しまわれたのですね。 でも、それを奥様は とても後悔なさって おいでです。 反発し合うお二人ですが、 貴方が一歩引くことが 円満の要です。 くだらない、男が立たない、 そう思うでしょうが、 お客様がいたからこそ 奥様も頑張る事が 出来ていたはずです。 女性を立てる事が出来て、 陰から見守る事が出来る男性、 それがお客様なんですよ」 「女性を立てる事が出来る?」 少なくとも男であるには 前に立つべきだと思っていたので、 その言葉はヨシキにとっては 意外に聞こえた。
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