第13話  花の色は

42/63
前へ
/417ページ
次へ
少し色の薄くなった肌に 懐かしい笑顔があった。 朱里はゆっくりと 立ち上がり一礼した。 「おかえりなさいませ、 オーナー」 「えっ?」 「じーちゃんが? えぇっ?なんで?」 「あぁ、うるさい。 そうやって喚くから 黙っていたんだよ、 少しは落ち着くことも 覚えたらどうだヨシキ」 朱里は、以前、タカが 救急車で運ばれた時に 本人が名乗ったので 気が付いたのだと言った。 たとえ 場所を借りると 言うだけであっても、 ここの占い所に 勤めるにあたって当然、 契約書なる物は 存在している。 その一番下に記載された 代表取締役の名前を 覚えていないのかと 逆に問われて、 ヨシキは答えに詰まった。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加