第13話  花の色は

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問われて、 朱里は机上の紙を 指差して言った。 「彼の盤は、本来 内助の功を示すものを 持っていて、 決して目立たないけれど、 こつこつ地道にやる事が 幸せへの道と言う人だから。 奥様は多分、 この盤からすると 家付き娘かな。 気位も高いから、 彼のように 一歩下がって付き従い、 陰で支えてくれているのが ちょうどよかった筈なのね」 「そう言えば以前、 造り酒屋の婿養子とか 言ってたな」 そう言ったタカは、 酒が入ると女房自慢を始める 阿呆な奴だったと回想した。
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