第13話  花の色は

52/63
前へ
/417ページ
次へ
「あ、これはいかんな。 ヨシキ、 いい方位を見て病院に 連れて行ってあげなさい」 「えぇ~?実際にやるの? うわ、苦手…」 三人に見守られる中で 始めたヨシキを見て、 朱里がまず 苦笑いを浮かべた。 それからタカが溜息をつき、 仕方なくイダが言った。 「だから今日は もう陽遁だって 言ってるじゃん! お前、彼女を殺す気か?」 「あれ?間違ってた?」 「大違いじゃん!」 目を瞬かせるヨシキに 朱里は笑い出し、 ついには皆で笑った。 外は寒い風が吹いていたが、 陽の光が温かく、 その暖かさが 久しぶりに建物内に満ちた 瞬間でもあった。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加