第13話  花の色は

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いつもの大通りを 一本内側に入ると狭い道が 入り組んだようになっている。 大通りの喧騒は ここまでは聞こえず、 そこには家々が 立ち並んでいて、 小さいながらも 花壇が置かれ、 北風に揺れながらも きれいな花を 咲かせる姿があった。 朱里は時折、この細い道を ゆっくりと歩きながら、 物思いに耽るのが好きだった。 「う~ん、風が寒いぃ。 散歩も辛い時期に なって来たなぁ。 あ、そうだ。 ノーソンに寄って帰ろう。 温かいのでも買って みんなで食べようっと。 カツラさんとモモエさんは 甘いのがいいかな。 ヨシキさんは肉饅、 イダさんは 意外にも餡饅好きで、 もっと意外なのは タカさんのピザ饅だよね~。 私は何にしようかな~っと」
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