Act.33 Side Ayumu

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「部長が冴子さんや兄貴を大切に思う気持ちは、誰よりも俺は分かっているつもりです。 もう部長の苦悩を5年近く俺も見て来ましたから」 「……ああ、そうだったな」 「それでも俺が部長を尊敬してきたのは、いつでも自分の周りの人たちを冷静に見つめ的確な分析と判断が出来る人だったからです」 「瀬那川……」 「それなのに今の部長はどうなんでしょうね? 一緒に暮らし始めたことで安心する気持ちは分かりますけど、あまりに葉月さんの表情に鈍感すぎませんか?」 「……葉月は……泣いていたのか?」 「泣いてたんだと俺は思います。 映見に励まされて飛び出して行きましたけど。 ちゃんと抱きしめてあげてください。 じゃないと俺、上司であっても殴りますよ」
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