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ヘブンズゲートの先に待つ者
「ここが天国か?」
ゆっくり辺りを見回しながら、適当に歩いて行くと目の前に大きな川が現れ、その先に都が見えた。
「三途の川ってのがこれかぁ。」
清く眩しいほど輝く大河に心を奪われそうになる。
「綺麗だなぁ……」
と、河を眺めていると河原の方から子供の泣く声が聞こえて来た。
「ふぇー……」
「………子供?」
近づいてみるとそこには、泣きながら石を積む子供と赤い肌に、トラのパンツを履いた大人が石を積み上げ終えそうな子供を虐待し、せっかく積んだ石を崩す姿が見えた。
「ちっ……胸糞悪い……。
おい……あんた。
何やってんだ?」
「あぁ!?
見てわからぬか!!!
この子供らはな!
親よりも先に死に、悲しませた者どもだ!
その罪は重い。
だから、ここで大人になるまで石を積み続け、罪を償う機会を与えておる。」
「そうか……確かに親をかなしませちゃぁーいけねーな。」
「そうだろ?そうだろ?
これも当然の報いだろう?」
ニヤリと笑い、折角積み上げた石を踏みける赤い肌の男。
親として子を失う事は、何よりも辛い。
だからこそ、子を守る為に、この道を選んだ。
生まれたばかりの留奈に脅威が向か無い様に……。
少しでも安心して暮らせる様に…
故に、その行為を黙って見過ごせなかった。
「だがな……。
親は、子供にこんな仕打ちを受けたと知ったら、愕然とするもんなんだよな。」
「あぁ!?
貴様は何が言いたい。」
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