第1章 プロローグ

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第1章 プロローグ

「アイスコフィン!!!」 「うっ!うがぁぁぁ!! ぁぁぁ…己!?己ぇい!!」 〝俺もここで終わりだな。 玲奈……俺も今から行くよ。 由奈……。留奈を頼んだ。〟 封印に抗い、苦しむ魔王の声を背に、俺は、玲奈の亡骸を見つめ思う。 〝せっかく話せるようになったんだ。 あの世でいっぱい話そうぜ。 そして……生まれ変わって、また………。〟 魔王と共に凍りついていく体は、自由を失い、現世での意識はあっさりと体を離れ、ヘブンズゲートへ吸い込まれていった。 「へぇー。あの世に行くってのは、あながち間違いでは無いのだな。」 そう思いながらも弥は天を見上げ優しく微笑む。 〝玲奈……… もうすぐだ。もうすぐ逝くから。〟 ゲートを通過した瞬間、俺は真っ白な雲の上に立ち、地平線の様に先が見え無い雲と空の境界を眺めていた。
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