第二章 憂鬱

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―青空の下、たくさんの生徒が様々な声をあげながら校門を通過して行く。誰しもが進級という大事な行事に心を弾ませながら… しかし、1人の少年が下を向いて憂鬱そうに歩いていた。 玄関の前を通過しようとした瞬間、ドスッという誰かが倒れるような音がした。 少年は驚いて顔をあげた。 するとそこには、一人の少女が尻餅をついていた。少女は痩せていて背が高かった。 だが、少女は見上げるようにして驚いた。 目の前には2㍍をに近い大きさのマッチな男がいたからだ。 「すいません」少女はとっさに謝ったが、その巨漢は「敬語使うなよ。タメだろ。あんた1年でしょ」と低くて強い声でいった。 少女はまさかこの巨漢が自分と同じ1年生とは思わなかったため、目を見開いた。この学校では襟章が1年は青、2年は赤、3年は緑と一目で区別がつくようになっていたが、その巨漢は襟章を着けず、学ランのボタンはつけずとひどい格好だった。
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