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放射線治療は、数日で終わった。副作用が強く出たため中止になったのだった。副作用が出ても、メリットの方が大きければ続けただろう。しかし、残り数週間、いや、もしかしたら数日かもしれない。できるだけ苦痛なく過ごすには中止するのも選択の一つだと言われた。
おじさんは目に見えて弱っていた。このまま治療を続けるよりも、今家に帰れるギリギリの状態を保って、できるだけ家で過ごす時間を持つ方がいいのではないかと、緩和ケアチームの久住先生が言った。おじさんは、「家にいても一緒に過ごすような相手はいないけどな」と苦笑した。
退院が決まったのはそれからすぐ。花井先生からは最後の帰宅になるだろうと言われた。
目の前が、薄暗くなっていくのを感じた。夏の日差しは緩むことなく降り注いでいるのに、どこにいても僕は、寒いような気がしていた。
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