第四章

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「いやー、ごめんごめん。確かになあと思ってさ。好みが似てんだよなあ」  その言葉に、僕はどきりとする。好み、とは、僕を好きだと思ってくれている柊平と父を好きになった自分が、ということだろうか。それとも───  ……何を期待してるんだ。馬鹿か。 「俺もギターやってた時期あってさあ」 「柊平は、すごく下手くそですよ」 「え、そうなの?」  馬鹿なことは考えない。  僕は一瞬浮かんだ馬鹿な期待に首を振り、柊平のちっとも上手くならないギターの話をする。おじさんは面白そうに柊平をからかい、柊平は不満そうな顔をした。本人は上達しているつもりらしい。 「そう言うけどな、凪は音楽のセンスなんかちっともないんですよ。音痴だし」  仕返しのように言う柊平だが、僕はちっともこたえない。 「別に僕の趣味でもないし。よっぽどのことがなきゃ歌うことなんてないし」 「うわー、開き直りー」 「おじさんは? 上手いの? ギター」
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