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そういえば、おじさんの父とのエピソードはよく聞くが、どんな仕事をしていたのか、好きなことは何なのかはあまり聞いたことがなかった。ギターを弾いていたというのも、今初めて知った。
「俺もへたっぴー。高校の時に軽音部の奴に触らせてもらったのが楽しくて、大人になってから買ってみたってだけ。自己流でちょこっと弾けるくらい」
「なんだ」
「なんだって何よー」
「いいえ? 上手いなら聴かせてほしいなあって思ったんで」
「そこ、上手いならってつけるところが凪らしいけど可愛くねえ」
おじさんが苦々しく言ったのに、柊平まで同意する。
「そうなんですよ! 普通ちょっとは褒めません? 褒めてくれたこと一度もないですからね」
「褒められるような演奏してから言ってよ」
柊平が頬を膨らませる。それが可笑しくて笑ってしまう。
おじさんはそんな僕たちを優しい眼差しで見て、柊平に声をかける。
「いつか超上手くなって凪を見返してやれよ、柊平君」
「はい。今笑ったことを後悔させてやりますよ」
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