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「はっきり言ってください……見てたらわかります?」
自嘲するしかない。同じゲイの人から見たら僕がゲイであることなど、すぐわかることなのだろうか。それがわかれば、おじさんへの想いなど、容易にわかるか。
僕はうつむき、手渡されたコーラの缶を見つめるしかない。
「倉田君も、はっきり言っていいよ。俺のこと、噂とかで聞いてる?」
「……はい」
久住先生は、落ち着いている。堂々と同じ病院の看護師と同性婚をするような人だ。僕とは度胸が違うのだろう。
「患者さんのことって、今までの生活だとか、詳しく聞いたりするんだ。柏木さんは隠してもいないから……」
「……僕も、同じです。先生やおじさんと同じ、同性愛者です」
不思議だった。目を見て堂々となどとは言えずうつむいたままだったが、するりと、言葉が溢れた。
話を聞きたかったのかもしれない。聞いて欲しかったのかもしれない。同性愛者ということを堂々と言い放ち、一生のパートナーを得たこの人に。
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