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「笑うのが、辛くて……っ」
もらったコーラの缶を握りしめる両手が震える。寒い。怖い。胸が痛い。息が苦しい。なんて弱い自分。
「怖いのは、当たり前だよ。好きな人の死を感じて、笑うのが辛くないわけがない。それでも笑顔でいる君は、すごいよ。よく頑張ってる」
「頑張ってる……? そんなこと、ないです。好きになってしまったから、一緒にいたい。それだけです。それでいてこんなに怖がって震えて……馬鹿なガキなんです……っ」
人が途切れた静かな救急外来。僕の抑えた嗚咽だけが、響く。久住先生は僕を落ち着けるように背中を擦った。
「好きなんだから。一緒にいたい、死が怖い。何が悪い?」
「おじさんは、僕を苦しめるならって、死ぬ前に離れることも、考えてました……! 僕が、怖がっていたら、おじさんは僕から離れようとするはずです……!」
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