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一緒にいられない。おじさんに父を、死ぬ直前まで見せてあげられない。僕にできる唯一のことが、できなくなってしまう。あの人に最期まで一生をかけて愛した人を見せてあげられるのは、僕だけなのに。
「柏木さんは優しいからね……でも、本当に倉田君に悲しい思いをさせないつもりなら、柏木さんはなんで君に病気のことを話したんだろう? 今も一緒にいるんだろう?」
「それは……僕が我儘を言ったからです。僕が病状を聞きたいと、言ったから」
久住先生は少し困った顔をする。背中を優しくぽんぽんと叩きながら。
「優しいだけの気持ちで、自分の人生の終わりに友人の子ども、という子を立ち会わせるかな」
久住先生が何を言いたいのかわからず、僕は黙って見つめ返す。
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