第五章

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第五章

   ───俺のことが好きだと言った。  てっきりまた泣いてしまうだろうと思ったのに、君は泣かなかった。微笑みさえ浮かべる姿に、胸が動かなかったというのは嘘になる。  でも、受け入れるわけにはいかない。君は否定したけれど、やはり俺にそういう感情を持つのは、同情心だと思うから。  ごめん。そう思わせといてくれ。せっかく未練なく逝こうとしているのに、それができなくなってしまうから。  小さな手。それがどうしてこんなにも────
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