第五章

24/51
前へ
/284ページ
次へ
「んっ、んぁ」  もっと。もっと欲しい。熱い、生を強く感じる口腔内をもっと味わいたい。  生きてる。生きてる。だってこんなに熱い。舌も、僕のを握る手も、こんなに熱い。もっと熱いものに触れたい。 「僕、も、触りたい……」 「だーめ」 「んぁ、あぁ!」  また先を爪で引っかかれ、僕は悲鳴を上げる。快感を逃すようにシーツを握った。思わず曲げようとした膝は曲げられない。膝まで下ろした下着とズボンが、軽く僕を拘束しているようだった。自由を奪われていることが、また僕を興奮させる。 「凪ちゃんMだな。普段Sっぽいのに。ギャップいいなぁ」 「気持ちい、こと、して。僕痛いの好き、だから……っ」 「それ駄目。わざとらしい。もっと普段の凪らしく言ってよ」  褒められて、一般的に可愛いとはどういうことだろうと考えて言ったのは、おじさんのお気に召さなかったらしい。刺激を強くされるどころか、おじさんの手の動きは緩やかなものになり、優しく睾丸を揉まれた。僕は可笑しくなって薄く笑いながら、おじさんの耳元で囁いた。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加