第1章

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結局真田一人鹿観察になったようだ。 俺らは東大寺?のなんか見るらしい。興味無いから覚えてないが。 「これが南大門か…」 呟くのは建築家志望。 へえ。教科書で見たような見てないような…。確か金剛力士像だったな。 「さっさと行こうぜ。」 いつまでも観察している建築家志望に俺はそういって門をくぐろうとした。 が、なにかに引っ張られて後ろに倒れた。 周囲がざわつく。俺がひっくり返ったというのに不思議なことに誰も笑っていないのだ。 呆然としていると頭上から声が聞こえた。 「ようやく見つけたぞ!」 頭を打ったせいか視界が定まらない。 クラクラする頭に鞭を打ち、よく目を凝らす。 視界がようやく定まったその瞬間、それが勢いよく俺の顔をのぞき込んできた。勢い良すぎておでこがぶつかった。それはそれは豪快な音がして、俺は定まっていた視界が再びぐらつくのを感じた。そして意識が遠くなっていく。意識を手放す直前、俺の耳に入ってきたのは理解出来ない言葉。 「我が夫よ!!」 「(キャパ…オー、バー…だ……!)」
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