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ここがどこだか分からないがここも奴らに包囲されているようであった。
通路にある鉄格子の嵌められた窓から奴らの雄叫びや呻き声が聞こえてくる。
通路を眺めていると警察官の服装をした3人の男が彼の方へ近寄って来て、その内の1人が声を掛けてきた。
「出ろ、この殺人鬼が! 何人殺したと思っているのだ」
「あなた達が奴らの餌になるところを助けてくれたのですか?」
「何訳の分からん事を話している、いいからさっさと出ろ! 」
3人の警察官は痛がる男を通路に引きずり出し腰縄をつけ、1人が後ろ側で紐の先を握り2人が彼の両脇を支え取調室に連行する。
取調室には2人の背広姿の男がいて、椅子に座らせられた彼に年配の男が声を掛けた。
「お前の名前と年齢、住所を言え」
「はい、広田智弘21歳、住所は、糖句野県床加市見晴町42丁目49番地見晴荘9号室です。
あ、あの、あなた達が僕を奴らの群れから助け出してくれたのですか?」
「何だと!?奴らとは激昂した群集の事か?」
「い、いえ、ゾンビから助けてくれたのでは無いのですか?」
「何がゾンビだ!?確かに激昂した群集からお前を助けたのはこの警察署の警察官だが。
助けた彼らも同僚を多数亡くし、職務で無ければお前を殴り殺していただろう」
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