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ハムレットはそう訴えるが、今度はリアが流す。
「謙遜することはないぞ、ジュリエット嬢。君のことを何も知らなければ息子の后となってほしいと頼んでいたかもしれないほどには魅力的だ」
「わたくしには過分なお言葉ですわ」
「ほら、陛下もこうおっしゃっているだろう? 君は自己評価が低すぎる」
「もうっロミオまでっ、からかうのはやめてっ!」
ジュリエットの顔は真っ赤だ。三人はそれをほほえましそうに見ている。
ハムレットはフルフルと震えた。
「いいかげん俺を無視しないでくれー!」
その叫び声に、四人の視線が一点に集まった。
うっ、とハムレットはひるむ。
「ええと、俺を無視しないでください。そして何の話か教えてもらえるとうれしいです……」
だいたい男のジュリエットをきれいだとかちやほやして何が楽しいんだ、とブツブツと続ける。
四人はやれやれと言わんばかりの表情で、視線を交わした。
「ではわたくしから説明しますね。その軽い頭にしっかりと詰めてください」
「ジュリエット……。もうちょっと他に言いようが……」
「いいですか、ハムル様。わたくしたちが話題にしていた対応と言うのは、陛下からのご命令をお受けするときのことです」
「特に変わったところのない会話だったように思うのだが」
「クローディアス殿下がおしゃったのは、わたくしたちが安易に返答をしかねますとお答えしたことについてですわ」
「ああそうだ、ジュリエット、それからロミオも。私のことはディアスと呼んでくれていい」
「お言葉に甘えさせていただきますわ、ディアス様」
「身に余る光栄です、ディアス様」
ジュリエットの解説の途中でクローディアスが口を挟み、ジュリエットたちもクローディアスを優先する。ハムレットの扱いはどこまでも軽い。
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