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「それでハムル。例の件に関わらせるには爵位を持たない彼等には荷が重いのではないか?」
「いえ、父上。彼らの立場も能力も、例の件の対応に当たるのに十分であると判断しています」
「ほう? 理由を聞こうか」
リアは値踏みするような視線を二人に向ける。
国王から値踏みするような視線を向けられた二人は、何の話をしているのか理解できず怪訝そうな表情を浮かべた。
「理由はとても単純なのですがね」
ハムレットは笑って答え、振り返りもせず背後に控える二人へ命じる。さすがは腐っても王族、その姿には(無駄に)威厳があった。
「二人とも、名乗れ」
ハムレットのセリフに怪訝な顔をしたのはリアとクローディアス。
命ぜられた二人は話の流れを合点すると、今度は非難するようにハムレットをにらむ。ロミオとジュリエットは不承不承という態度を隠しもせず、それでも品よく口を開いた。
「私はロミオ・モンテッキこと、“ロミルダ・モンタギュー”と申します」
「わたくしはジュリエット・カプレーティこと、“ジュリアス・キャピュレット”と」
瞬間、イクスピアにおいて第一位と二位の地位を持つ者の時が止まった。
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