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『グペェ…痛いでしゅ…』
羽根を毟られ、おんおんと咽び泣く天使に向かって藤乃先輩が先ほど投げ付けられた封筒を投げ返す。
「…………」
そしてその場には、何とも言えない空気が流れた…。
「……んで、さっきの続きだが状況の整理をしよう……。」
そんな中、沈黙を破ったのは澤野先輩。
どうやら、先程の出来事は無かった事にしたいのか額に汗をかきながらそう提案した。
藤乃先輩もその言葉に釣られるように、天使の元を離れて水谷先輩の横に腰掛けた。
「…えっと…お前らは2年の水谷と藤乃…だよな、えっとお前は…」
「あらやだ、なんで私達の名前を知ってんのよ!まさか…」
「悪い意味で目立ってるからだよ!…いちいち話の腰を折らないでくれますかねぇ…」
水谷先輩に冷ややかな目を当てる澤野先輩。
「んで…お前は一年の…」
あ…俺。
先輩達のようにキャラが濃くないので名前がわからないようだ。
平穏な人生を歩んでいる俺の知名度はほぼ皆無だろう。
「確か大住だろ?」
「大住くんでしょ?」
「大住君…だよね?」
?!?!?!
何故名前を…
「まぁ、取り敢えず軽くみんな自己紹介するか」
澤野先輩はそう言うと俺たちを見回した。
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