第1章

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 創造の鉛筆  俺はそんじゃそこらの高校生、いや、大人にだって負けないほどに良くできた人間であるはずだ。学力は良いほうだし、容姿だって悪くないはずだ。鏡に映る俺はそれなりにイケていると思っている。それなのに……俺は、今日、好きな人にあっけなく振られてしまった。  いや、振られたと言っても告白したわけではない。俺は見てしまった。その人が、彼氏と思われる奴とイチャついているところを……。    絶望した。そいつは俺よりも容姿は良くないし、学力もありそうにない。明らかに俺よりも下に見える人間であった。それなのに、そいつは俺の好きな人を持っていっていたと言う現実に。  俺は、心の底から思った。こんな現実、書き換えてしまいたい……。  そんなことを思い、頭を抱えてうなだれていた俺の前に、一つのある物が小さな音とともに現れた。それは、 「……え? 鉛筆?」  そう、それは紛れもなく鉛筆。 「え? え?」  しかし、不思議に思う。それは、どうしてこんなところにと言う疑問だ。  描写していなかったが、ここは誰も通らなさそうな路地裏だ。薄暗くて、昼間でも幽霊に遭遇しそうなじめじめっとした暗い路地裏。鉛筆が現れる原因が考えられない。それなのに、突如として鉛筆が姿を現した。
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