かきけすもの

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「ただいま。」 「あ、おかえり。お弁当出来てるよ。」 「うん、ありがとう。」 私はまだ高校一年だが、 “もう大学受験は始まっている” という教育熱心な両親のすすめで、夜は塾に通う日々を送っている。 家で夕飯を食べる時間などなく… 母が作ってくれた夜用のお弁当と、昼間に学校で食べた空の弁当箱をただ交換して、また家を出て行くのだ。 「いってきます。」 「はーい、頑張るのよー。」 …その前に、“いってらっしゃい”だろうが… そんなことを思いながら塾へ向かう。 私は、そんな毎日にうんざりしていた。
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