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次の日、
学校から帰った私を、思わぬ事態が待っていた。
「ただいま。」
「あら、おかえり。」
そう言ったきり、母が私に背を向けたのだ。
その物足りなさに、
「あの…お弁当は?」
と、昨日までは見るのも嫌だった“包み”の在り処を訊ねる。
すると、母は驚いたように言った。
「お弁当って…あんた、何を言ってるの。夕飯まで待てないの?」
その顔には、困惑すら感じられる…。
「何って…塾に持って行くお弁当よ!いつも作ってくれてるじゃない!」
塾の時間も迫っていたので、
こんな冗談には付き合っていられないと、少し口調を強くする。
「塾!?あはは、あんたが塾って…
学校で居眠りばっかりしてるから、夢でも見たんじゃないの?」
“呆れた”といった母の態度、期待のない言葉…。
一体、何があったっていうの?
混乱する頭の中を、泳ぐように答えを探す…。
そして見付けたのは、とても馬鹿げたものだった。
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