かきけすもの

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あの“ペン”のせいだ…。 そんなこと、あるはずがないのはわかっている。 でも…何度考え直しても、答えがそこにしかいかないのだ。 その日から私は、塾からも、まずいお弁当からも解放された。 いいや… そんなもの、最初からなかった…“そういうこと”になったのだ。 これは凄い物を手に入れた… 確かにそうなのだが、まだ確信しているとまでは言えなかった。 私は、“確かめる”という名目で、いろいろなものを書き、消し始めた。 小テスト、三者面談、嫌いなコ… 何でも消えてしまうから、例えば…失恋だって怖くなかった。 どんな失敗をしたってなかったことに出来るし、嫌なことはしないで済むのだ。 まるで、神にでもなった気分… いいや、それは言いすぎね… でも、“自分は特別”…そう思っていた。 どんな些細な不快も、私の一存でどうにでもなるんだから。
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