第二章 消えた婚約者

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きっと池内は、理由も分からず姿を消した婚約者を心配する思いと、何故行方不明になったのかその理由を知りたいという思いが入り乱れて複雑な心境なのだろう。 「心中お察し致します」 豹磨の言葉に池内は苦笑いしながらも、瑛梨香の写真をカウンターに置いた。 「僕らの結婚式のプロデュースをしてくれていたウエディングプランナーの友人の家に行って来ると両親に伝えたまま彼女は行方が分からなくなりました。 ちなみにそのプランナーの友人宅に彼女は行きませんでした」 「そのご友人の連絡先を一応教えて頂けますか?」 「はい。こちらに必要と思われる情報をまとめたファイルを持って来ています」 そう言って池内は、ビジネスバッグからA4サイズの青いファイルを取り出した。
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