episode152 ワインとライム

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天宮征司――。 物心つく前から帝王学を学んできた そんな気高い御曹司の姿は見る影もない。 だらしなく肌蹴たシャツ。 起き抜けよりひどい頭に まんまワイン色した唇。 死神に取りつかれたかのように 目元は青白く落ち窪んで――。 「誰だ、おまえ……」 あいつが壊れたら 俺も壊れるのか――? 笑うに笑えない。 これが俗にいう 共倒れというやつか。
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