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頭を振りまわす。
髪から滴る水飛沫で濡れたシャツは
ぴったりと身体に張り付いた。
「征司様……?」
すれ違う使用人たちが
見てはいけない物でも見たような顔で道を開ける。
――狂った調教師のお出ましだ。
俺は脇目も振らず
赤い絨毯の真ん中を行く。
和樹の部屋に着くや
乱暴に扉を押し開けた。
中は――暗闇。
こうなることが分かっていたかのように
「どこに隠れやがった?」
もぬけの殻だった。
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